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コラム源さんの独り言
電源に関するネタ話 源さんの独り言
2005/08/29 Nipron電源の秘密に迫る(第三回)
電源が壊れる要因は何か
源さんイラスト電源が壊れる原因には、外的要因と内的要因がある。
電源の破壊要因の大部分は、1次側(入力)に関するものである。
何故ならば、交流入力に重畳して入ってくる4KV以上の電力サージに半導体で構成されるスイッチング回路が極めて厳しい環境にさらされる事。又、PFC回路以降の電圧がDC38OV位と高く、フォーワードスイッチングするとFET素子の両端電圧は800Vを超える電圧となり、この電圧が高くなるほど危険な状態であると言えます。更に、より小型で大容量出力が要求されるところから熱処理や、絶縁距離等に無理が生じ甘い設計をして充分な評価試験が行われないと極めて危ない電源となり、市場にでてから1〜2年で問題が頻発する事がある。

内的要因には、設計不良・製造不良・部品不良・寿命到来等があるが、大半はメーカーの責任に帰することが多いと言える。

外的要因には、入力から入る外来サージ電圧破壊・高温環境破壊・高入力電圧破壊・振動、塵埃堆積による破壊等がある。
電源は、外的破壊要因に対して負荷機器を護り、安定した各電圧出力を負荷に供給するための安全を護る防御装置であるとも言えます。従って、如何にして潰れないタフな電源を設計するかを、各破壊要因に対してNipronが取り入れていることを振り返って見ますと

1. 外的要因に対しては
(1) 入力ラインと筐体間の絶縁耐力を強くするため必要な距離を確保する、絶縁シートを間に入れて放電を防ぐ。高耐電圧の整流ブリッジを選ぶ、入力間、対アース間にZNR等のサージ吸収アレスターを入れる等でサージ耐力を上げる設計が出来る。ニプロンでは、標準的に強化対策を行っています。
(2) 高温環境破壊対策は、先ず効率を高め温度上昇を低く抑える。温度、耐電圧、電流余裕度のディレーティングを低目(厳しく)に設定する。高温耐力のある良い部品を採用する。FETのON抵抗の低い物を選び熱暴走をしない条件で設計する。試作完成後限界テスト(全負荷で80〜90度環境で7〜10日間連続試験で破壊しない事を確認)
(3) 入力過電圧に対する保護として、アクティブフイルタ回路を採用してワールドワイド入力対応を進めている。
スイッチング素子に使用するFETの耐電圧、サージに強いものを採用している。整流素子の耐電圧の余裕を大きくとっている。試作完成後限界テストでAC入力300Vの連続運転(10時間以上)しても破壊しない事を確認する。
(4) 振動・塵埃対策として高電圧部分のリード部には絶縁チューブを通す対策を行う。又、沿面距離確保、及び絶縁コーティングを高圧部に行うなどの対策を
行っている。

2. 内的要因に対しては
(1) 設計不良を完全に無くする。特に過渡現象領域における耐圧オーバー、トランスの飽和が発生しないか・・・等、 数多くの潜在化する問題点を発見するための各種過酷試験を行っている。
(2) 電解コンデンサーは、日本製の著名メーカー品の採用と105度品以上の採用、耐圧・リップル電流に対するディレーティング率に余裕度を取っている。又、8φ以下の電解コンデンサーは、カシメ部分が弱いため採用しない事を設計基準にしている。冷却ファンは、ベアリング入りの高温長寿命品を採用している。
(3) 過去のクレーム事例を設計基準に取り入れ、又デザインレビューのチェック項目に入れて再発を防止するシステムを厳しく運用している。
(4) 設計思想の中で、保護に対する考え方に海外製との大きな違いがあります。台湾メーカーの多くは、仕様を外れたところで使われて電源が壊れてもそれは仕方が無いという考え方で、Nipronは仕様外で使われても電源は壊れてはならないという考え方で設計をするため、結果として信頼性に大きな差が出る。
(5) Nipronは、地球環境を憂う考え方を強く持っています。
その中で、長寿命化(10年)と効率改善(80%以上)を設計思想として取り組んでいます。この結果として、壊れない電源に繋がっています。
以上の説明からして、設計思想に大きな違いがあり簡単に価格比較を行っても、比較にならない。

Nipron商品は過剰品質で無いかとの声も聞こえないではないが、電源装置は機器のインフラストラクチャであるため、万一にも破壊すると、その影響は大きく不安は大きくなる。
先ず、電源は絶対に安心して考えられるべきもので、トラブル原因は電源以外にあるとして切り分けたい。これが機器メーカーの技術者の本音ではないか。遠く過去に聞いた記憶が思い出される。
Nipronは、電源は如何にあるべきかを絶えず考え続けながら、新しい時代の要求に応えられように努力をして行きたいと思う。
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