Nipron Nipron Login Nipron Globalpage
Home購入先スイッチング電源に関するサポート窓口スイッチング電源メーカーニプロン 企業情報
製品情報電源事典

電源事典

1-4 良い電源の条件とは?

同じ出力を得るために、ただ単純に出力を得るためだけであれば非常に簡素な回路構造にすることで価格を安く押さえることが出来ます。
しかし、次のような点で電源の善し悪しに差が生じるので、価格だけに目を取られずに安心できる電源を選択する必要があります。

■ 入力電圧変動に対して出力が安定していること

一般家庭では、通常AC100Vが給電されていますが、この電圧が低下してしまう場合があります。
電圧が低下したときに出力が安定した状態を保てる電源が良い電源といえます。

■ 効率が良いこと

電源に入力される電力のうち、パソコン電源では20%から30%以上が無駄な熱になって放出され電源内部の温度を上げ、寿命低下の要因となったり、周辺機器の温度を上げてしまいます。(図1.14)

効率=出力電力/入力電力

効率が高いほど良い電源といえますが、高調波電流を抑制するアクティブフィルタを装着するなど、回路が複雑になると効率も低下する傾向にあります。

効率が悪いと多くの熱が発生する

図1.14  効率が悪いと多くの熱が発生する

■ 力率が良いこと

力率は見かけの電力(皮相電力)と実際に消費される電力(有効電力)の比で表されます。

力率=有効電力/皮相電力

力率が低いと電源への入力電流が増加し、結果的には配電設備が有効に活用できないという事になります。
電源は電解コンデンサに充電電流が流れ込むことから電圧の変化に応じて非連続な電流波形になります(力率の低い波形)これを改善し、力率の高い波形にする ためにはアクティブフィルタ(PFC:力率改善回路と言われることもあります)を採用することが効果的です。
アクティブフィルタを搭載した電源は高価ですが力率改善のほか、高調波電流規制(IEC61000-3-2)を満足させるのに必要であり、更に低電圧時にも安定した動作が可能になります。(図1.15)

力率の低い電流波形と力率の高い電流波形の比較。力率の低い電流波形は高調波成分が多く含まれる。高調波成分は電気の公害ともよばれ、電力設備に悪影響を及ぼす。

図1.15  力率の低い電流波形と力率の高い電流波形の比較。
力率の低い電流波形は非連続で高調波成分を多く含まれる。
高調波成分は電気の公害ともよばれ、電力設備に悪影響を及ぼす。

なお、アクティブフィルタの有無は電圧切替えスイッチの有無から推測できます。(写真1.1)
入力電圧が100V系/200V系切替えスイッチがあるものはアクティブフィルタ無し。100V系/200V系いずれも入力可能で切替えスイッチのないものはアクティブフィルタ付きである可能性が高いです。
比較的小容量(70W〜150W)のものには高調波電流規制に対してパッシブフィルタを使用しているものがありますが発熱と重量が問題になります。

115/230V切替スイッチ

写真1.1  115V/230V切替スイッチ

■ ノイズが発生しないこと

ノイズには「耳に聞こえるノイズ(騒音)」、「入力ACラインを伝って外部に漏れ出すノイズ(帰還ノイズ)」、「電波となって放出されるノイズ(輻射ノイズ)」があげられます。これらはいずれも低いレベルであることが良い電源といえます。
ノイズ対策として、ACラインフィルタなどがありますが、電源のカバーの板厚や組立方法によるシールド性の向上もあげられます。

■ 突入電流が小さいこと

突入電流とは、電源に入力電圧 (AC)を印加した瞬間に流れる電流の大きさをいい(図1.16)、この電流値が小さい方が良い電源といえます。

突入電流

図1.16  突入電流

(電源を入れたとたん部屋の明かりが瞬間暗くなる現象がありますが、これは突入電流によるもので瞬間的に100A近く流れる場合もあります)この現象を防止するため突入電流防止回路を入れるのが一般的です。
その例としてパワーサーミスタを用いる方法(図1.16-1)と制限抵抗を入れ、ある時間経過後にサイリスタ等でショートする方式(図1.16-2)があります。

パワーミスタ方式  サイリスタ方式

図1.16-1 パワーサーミスタ方式      図1.16-2  サイリスタ方式

■ 漏洩電流が小さいこと

漏洩電流とは、電源から漏れ出し、大地に流れる電流です。(図1.17)

漏洩電流

図1.17  漏洩電流

漏洩電流が小さい方が良い電源といえます。漏れ電流が多いと感電するなど安全上の問題が生じます。(漏洩電流を小さくすると帰還ノイズ、輻射ノイズが増えるため、ノイズ抑制と漏洩電流の抑制のバランスを取ることが難しいです)特に医療用規格に対応するためにはこの規制が厳しくAC100V時0.5mA以下と決められています。

又、日本国内の単相二線配線(クラス教ヾ錙砲砲いては、このリーク電流の規制(ガイドラインとして1mA以下)が必要です。更に漏電ブレーカの誤トリップ防止にも低い値を要求されます。

■ リップルが小さいこと

パソコンに供給される直流電圧の変動が小さい方が良い電源といえます。リップル電圧とは出力の直流成分に重畳される入力電圧の周波数やスイッチング周波数に同期した変動成分を言います。(図1.18)
リップル電圧に対してスパイク電圧も仕様にうたわれます。
これはスイッチング素子(FET・ダイオード等)がON/OFFする時に発生するヒゲ状の波形でスパイクノイズとも呼ばれます。

リップル

図1.18  リップル

■ 温度による変動が小さいこと

電源を使用する周囲温度による変動が小さい方が良い電源といえます。温度の変化により個々のパーツは特性が変化し、それにより電源の出力も変化してしまいます。
低温時には電源は起動しにくく、低温時にも安定して起動できる電源である必要があります。ものによっては、冬の寒い時期に起動しないという電源もあるようです。
ニプロンの製品は全般的に仕様書上では、0℃と記していますが実力値は-10℃〜-20℃でも起動する事を極限試験で確認しています。

■ 長寿命であること

電源は可動部分であるファンモータ、寿命部品の電解コンデンサを使用し更に発熱体であるという過酷なパーツです。電源の寿命はファンモータの速度低下、電解コンデンサの容量低下という形で進行していきます。
寿命を知る上で参考になるデータとしてはファン寿命※1、電解コンデンサの仕様温度※2等があげられます。

※1 期待寿命50,000時間といった仕様上の表記。時間が長い方が良い。
但し、仕様上の表記は最適な環境での評価結果である。
※2 85℃品、105℃品といった表記。
温度が高い方が良い。電解コンデンサの温度が上がると寿命が短くなるため、温度上昇を押さえるよう冷却を考慮した電源設計をする必要がある。

参考:寿命を短くする大きな原因として「埃による影響」を無視することは出来ません。埃はファンにからみつき回転速度を低下させると共に、電源内部の温度上昇を招き本来の寿命まで動作することが出来なくなります。
パソコンを設置する際には直接床におくよりも、数cmの台の上に置くことをおすすめします。床に直接置くと綿埃を多く吸い込んでしまいます。台の上に置くことで、かなり埃の問題を改善することが出来ます。

■ その他

過電流・過電圧に対する保護が適切に行われている、ボードとの相性問題が発生しない、外部からのノイズに強い、雷サージへの対策が考慮されている、輸送時の振動・衝撃に耐える等が考えられます。

これらの要件に対して全てを満足する電源を開発しようとすれば当然パーツも多くなり、特性の良いパーツを選ばなければならず、また構造も複雑になってきます。パソコン電源として使う上で安い電源も、高い電源も同じように使えますし、高い電源だからといってパソコンそれ自体が早く動くわけでもありません。
とはいえ、製品の信頼性を明確にし、これに合わせたディレーティングの確保、パーツの選定を行う事により、初めて安心して使用できるコンピュータシステムの構築が可能となります。
電源は製品の信頼性を決定づける重要なパーツであることをご理解いただきたいと思います。

プライバシーポリシー 情報セキュリティーポリシー サイトマップ
Copyright (c) Nipron Corporation. All Rights Reserved.