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ATX電源とAT電源の違いは何ですか? | |
パソコン用の電源にはAT用電源、ATX用電源、SFX(microATX)用電源、などがあげられます。(他にFlexATX電源、TFX電源などもありますが、ショップなどに並んでいるものは主にこの3種類ではないでしょうか) ここでSFX(microATX)の電源は、他の電源と較べても大きさが異なるため一目でSFX電源とわかります。ところが、AT用、ATX用電源は大きさがいわゆるPS/2サイズと呼ばれるサイズで見た目は同じように見えます。では一体何が違うのでしょうか? 最も大きな相違点は、二次側出力(パソコンにつながる方)のメインのコネクタ形状、および出力電圧が異なります。相違点を以下の表にまとめてみました。 表 AT電源とATX(12V)電源の相違点 また、AT電源は電源のON/OFFを「人の手を介して」行うようになっています。AT電源では電源を動作させる場合はACの入力側でスイッチをON(導通)させることで電源が起動します。但し、最近ではACそのものをコントロール(入れたり切ったり)するのではなく、コントロール用の信号をスイッチでON/OFFすることによって電源出力のON/OFFを行っているものもあります。(厳密にはATの仕様から外れるのかもしれませんが、使い勝手としては同じように使うことが出来ます。) ATX電源では電源のON/OFFは「マザーボード側からの指令」で行うようになっています。パソコンの自作をされた方はご存じと思いますが、パソコンのフロントパネルにあるスイッチ(ソフトスイッチと呼んだりします)は電源には接続されずマザーボードに接続されます。これは、フロントパネルのスイッチを一瞬ショートすることによって「電源をONにしなさい」という指令が電源に送られるのです。この指令とはどんなものなのでしょうか? ATXの電源はメインのPS_ON信号(20Pinコネクタの14番Pinまたは24Pinコネクタの16番Pin)をTTL Low(COMレベル)にすることによって起動します。(通常14番Pinまたは16番Pinは開放状態ではプルアップされていますのである電圧レベルにあります。このため開放状態ではTTL Highとなります。)そこで、「電源をONにしなさい」という指令はこの14番Pinまたは16番PinをTTL Lowにする、つまり14番Pinまたは16番PinをCOMレベルにするという電気的な変化によって電源が動作開始します。 参考までに、ATXのメインコネクタのピンアサインを次に示します。 20Pin 24Pin 表 20Pin ・ 24Pin 出力コネクタのピンアサイン表 ※+5VSBは電源停止時でもAC入力があれば常時出力があります。 ※PWR_OK は正常出力時に開放状態で+5Vの信号出力があります。 ※出力電圧は全てCOMを基準に測定した値です。 ※-5VはATX12V1.3よりオプション。 ※メーカー製のパソコンの場合ピンアサインが異なる場合があります。 以前からパソコンを使用されていた方は「ある時期からOSをシャットダウンすると自動的に電源が切れるようになった」という事に気がついたのではないでしょうか。これは、マザーボード、OSのAPM(Advanced Power Management)機能、ATX電源との組み合わせによって実現しているのです。 もし、ATX電源単体で全出力を出力させたいのであれば、パソコンからの指令を擬似的に行ってやればよいことになります。つまり20Pinコネクタの14番Pinまたは24Pinコネクタの16番PinをTTL Lowにしてやればよいわけです。弊社の電源ではたとえば14番Pinと15番Pinをショートさせてやればこの状態を作り出すことが出来ます。但し、ここで一つ注意する点は「最低負荷をかける必要がある場合がある」という事です。これは、パソコン電源が一つのトランスで複数の出力を出力している都合上、たとえば5V出力に2A程度出力を取らないと3.3Vや12Vが安定しない出力しないといった現象が発生します。 また最近の電源は最小負荷電流の必要の無い電源もあります。 ところで「ATX電源はATのマザーボードにも使えるのではないか?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。答えは「出来ます」。ATX電源からAT電源への変換コネクターを販売していますので、これを利用することによってATX電源をATのマザーボードに使用することが出来るようになります。(接続については「ATX→AT変換コネクタの接続について」をご覧下さい)但し、この場合電源のON/OFFコントロールはマザーボード側からは出力されませんので、手動によるON/OFFを行う必要があります。 |
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